救急搬送された翌日午前中が手術だった
いつ寝ていつ起きたのかもわからないが回りは手術の準備をしているのがわかる
執刀医が全身麻酔のことを言っていたような気がする
このまま眠ってしまって目を覚まさないかもしれない可能性を感じてはいた
死はもう隣に感じていた
自分でも驚くほど冷静に死の可能性は感じていた
不思議と恐怖は無かった
意識が朦朧としていて死の恐怖を感じる余裕も無かったんだろう
このまま死んでしまえば家族やスタッフ、取引先、エトセトラ、、
多大な迷惑をかけてしまうので最悪
でも
今ならこの朦朧とした夢幻の中、苦しみも無くすべての責任とストレスから解放されてしまえば
とも、この時は思うこともなく
残念ながらこのまま死ぬわけにはいかない、というドラマ的な思考はおきなかった
脳を損傷するということはこういうことなのか
もしくは病気で死ぬ瞬間は意外とこういう感じなのか
看護師さんに家族を呼んでくれと頼んだ
何となく遺言的なものを話しておいた方が良いと思ったんだと思う
娘には好きなように生きろっていったような気がする
息子にはお前は大学に行けって言ったような気がする
妻にはとにかく仕事の件をいってたような、、、
最後の会話になるかもしれないのに気の利いた言葉は出てこない
こんなもん
そしてそのまま手術室に運ばれて、、、、意識は途切れる
目を覚ました時は夜だった
一昨年死んだ親父は現れなかった
普通そこ出てくるタイミングじゃないの?
そこから地獄の2週間が始まった